2章「花の街」
第17話「 花の街を歩いて - A Walk in Fleur and the Girl’s Secret Feelings. - 」
フィリア達は、エレナとリィに紹介してもらった酒場にて昼食を取る。その後、軽く花の街〈フルール〉の案内をしてもらうことになった。
桃色の髪が特徴的な少女『エレナ』と東の国出身の『リィ』。フィリア達は2人に、明日以降、各々が用がある施設や滞在中に不便が無いようにと街を案内してもらう。
「まずは、この街の中心地である『大樹の時計塔』を紹介しますわ。時計塔は街のどこからでも見えますので、迷った場合は目印にしてください!」
『大樹の時計塔』について話すのはエレナ。彼女はこの街の生まれ。街のことを隅々まで知っており、心からこの場所を愛してることが分かる。自分から案内役を買って出たこともよく分かる。『大樹の時計塔』はかなり大きく樹齢は1000年を越えるだろう。大きく枝分かれした中心に『文字盤』が置かれており、その上に鐘がある。
「皆さまはこの街の成り立ちをご存知ですか?」
エレナは時計塔を眺めながら問いかけた。そして得意げに、語り始める。
花の街〈フルール〉は「大樹の時計塔」と呼ばれる樹齢1000年もの大樹を中心に発展した街。元々、その地は精霊の森〈フォレルの森〉の恩恵を受けた緑豊かな集落だった。後にフルールとなるその地は、旅人の休息地として沢山の旅人が足を運んだ。そして、休ませてくれたお礼として、目印となる大樹の根元に花の種を撒いて旅人は旅路へと戻る。
この行いは、旅人がこれから良い旅になるようにと、緑に願い、旅の祈願としても行われ、後に沢山の人が幸せを願って種を蒔くようになった。
そうして、精霊の森の恩恵として咲く花と、旅人が撒いた世界各地の花が咲き誇る美しい場所となり、緑を愛する街として現在まで発展してきたのだ。
エレナは説明しながら、一行を時計塔の頂上まで案内する。大樹の外環に備わっている階段を登っていくと、木の幹に櫓(やぐら)のようなものが見えた。
「こちらが頂上。展望台ですわ」
焦げ茶色の木材でできている展望台。展望台は広々としており、所々に置かれている、ベンチやテーブルも丸太を切り落として作られたものだった。
思い返せば、フルールにたどり着いてから、見る建物は、落ち着いた色目の木造建築が多く、生い茂る緑を阻害しないような配色のものが多い。それ故に色鮮やかな花々が輝かしく見えるのだろうか。
展望台から見える景色は、とても美しかった。四方から街が見渡せようになっており、街路樹や水路、街並みに調和するように咲き誇る花々が色鮮やかに見える。
「わぁ〜!」
フィリアは思わず感嘆の声を上げた。そのリアクションは何処か子供っぽくて、一行は無意識にそんなフィリアの姿に微笑んでしまう程だった。
「ふふ。この展望台なのですが、大昔は集落を見張る櫓や見張り台みたいなものだったそうです。それが長い年月をかけて、街の中心地やシンボルとして今の姿になったと言うことですわ」
「なるほど。これだけ高ければ、見張り台として人々が使うのも分かります。それにこの大樹は、街のあらゆる所から見える大きさですし……今は時計塔として、街の皆さんのライフラインになっているのですね」
ヴィレムはいつもの落ち着いた調子で、顎に手を当て話した。
「こうして街の人を見守る場所であり、街の方は時計塔を見上げて……なんだか道標みたいですね」
フィリアは、『大樹の時計塔』に込められてきた思いを、感じとったようで、とても優しげな表情でエレナにほほ笑みかける。
「その通りですわ! 流石フィー様ですわ……! 素敵な着眼点です。そうでしたわ、フィー様。北側をご覧下さいまし」
フィリアはエレナに北側を見るように言われ、北に目を向ける。
「見えますか? 天気がいいと王都〈リヴェリウム〉の魔術結界が見えるんですのよ。フィー様とヴィレム様は王都から来たと聞きましたので」
エレナは指をさしながら教えてくれた。フィリアは少しだけ目を細めると、王都を囲うドーム状の結界を見つけた。
「本当だ…… ここはとても見晴らしが良いのですね。ここから見る風景は王都と違った華やかさがあって……とても気に入りました!」
フィリアはエレナに笑顔で答えて見せた。穏やかで何処か幼さのある笑み。エレナは思わず抱きしめたい……と思ってしまうそんな笑顔に心を打たれていたが、じっと堪えて拳をにぎりしめる。
そんなエレナとフィリアの姿をヴィレムはいつも通りの貼り付けたような笑みで見守っていた。正しくは、見張っている……と言うべきだろうか。
続けてエレナは、街を指さしながらフルールのことを教えてくれた。
フルールは、大樹の時計塔を中心に8本の通りが分岐するように広がる。
北側は商人たちが行き交う商業エリア。旅人達を受け入れるエリアでもある。王都からの物資や物流にも使われているエリアだ。
西側は精霊の森に隣接する観光スポット。住宅街の延長でもあり、公園や街長の邸宅など、他のエリアよりは落ち着いている。
東側は海からはかなりの距離があるが、風が吹き下りる園芸・農業エリア。西の国〈ノインシュテルン〉一の植物研究所があるエリアだ。このエリアは街の中でも特に花が多く、農作物までをも含めた栽培から研究を行っている。風車が並び、色採り取りの花が風を浴びる。水路には綺麗な水が通っており、自然豊かで優しくのどかな雰囲気がある。
南は住宅街。花の街出身の人々が多く住まうエリアだ。子供向けの学校などもある。
そして、中心から広がる東西南北4つの道が各エリアに直接つながる大通りだ。
時間はあったが、午後からの行動なので、基本は寄り道なしで滞在中に回るであろう場所を下見することになった。
フィリア達は街の西側に隣接する精霊の森から、やってきたが、途中正門から入るためビレア街道の本道を通り北側から歩いてきた。昼食も北エリアで済ませたので、フィリアとヴィレムが求める植物研究所が位置する東エリアの行くこととなった。
◇
東エリアはとても静かなエリアだった。海側なのもあり、程よく風もある。街の端まで行けば、遠方には西の国の外縁を覆うように広がる、フィール海も見える。
東エリアは静かで、街中に張り巡られた水路の水の音がよく聴こえる。木々も多く、木漏れ日で水路の水が淡く輝く。そんな静けさの中に、色とりどりの花々が可憐に咲き誇る様子は、これまでの賑やかな街の雰囲気とは異なり、森林公園や大きな庭のような優しげな雰囲気ではあるが、また別の華やかさを醸し出すエリアだ。辺りを見渡せば、木陰や水路の前に花の街の美しい風景を収めるべく、カンバスを構え絵を描く者もいた。
道は茶色やテラコッタ色、組木の道で舗装されており、とても歩きやすい。フィリアの出身である王都・リヴェリウムとは異なり、西の国の大いなる自然と調和した美しい風景はフィリアの心を踊らせる。
「ふふ、空気が美味しい…… 街なのに、精霊の森みたいに何処か落ち着く雰囲気があっていいな」
「フィーはこの場所が気に入ったようですね」
ヴィレムはフィリアが楽しそうに辺りを見渡す姿をいつもの穏やかな笑みで見守っていた。エレナはヴィレムに悟れぬよう、いつもより控えめに……フィリアの何処か子供っぽく純粋なリアクションを楽しんでみていた。
しばらく歩くと、木々が減り、広大な花畑が見えた。暖色系の花々が変色するように綺麗に並んで咲いていた。その奥に、大きな建物が見えた。ガラス張りの建物も数棟見える。
「フィー様、ヴィレム様。あれが植物研究所ですわ。あの木造の大きな建物に研究室や図書館があります。向こう側に何棟か建っている建物は温室ですわ。中には南部や南の国に生息する植物もありますので、興味深いと思いますわよ」
「わぁ……! 一日で回れるかなぁ、ヴィレム」
「調べ物もありますし…………退屈はしなさそうですね」
「エレナさん、ありがとうございます! 明日から充実した時間を過ごせそうです……!」
フィリアは無邪気に笑ってみせた。エレナも微笑んで返す。不思議と気持ちが優しくなるような笑顔。フィリアの笑顔はそんな優しさを秘めている。エレナもそんな彼女の笑顔に当てられたのか、一瞬穏やかな気持ちになった。
◇
続いて、南エリアへと向かった。こちらは住宅街や、住民のための施設が揃う。
「こちらは住宅街ですわね。花の街は住民が住まう場所がきっちりと分けられているんですわ。特別紹介はしませんが……」
そうエレナが言いかけると、後ろから声がかかる。
「あれ? エレナさん?」
声の主はエレナと同年代の少年・カスペル。茶髪のごく平凡な少年。
「カスペル……」
「エレナさん? こんなところで珍しいね? いつもは邸宅か案内所の手伝いしているはずじゃ……あっそういえば、この間ガルザに会って、彼今とても幸せそうだったよ。すごく綺麗な彼女がいて……」
「彼女…………ななななななんですの???? ひゃああああ!!!! こんな所で珍しい!? ですわね!カスペル!!おほほ、社会勉強ですわ。お客様を案内していますの、お話している暇はありませんわ」
エレナはよそよそしく、カスペルの元を去った。何やら隠しているようにも、事情があるようにも見えた。
去り際にリィが、カスペルに耳打ちをしているようだった。カスペルに会ったあと、エレナは少し調子が違って見えた。少ししょんぼりとしているような。
「エレナさん? どうかしましたか?」
「えっ? なっ、なんでもありませんわ……! 彼は知り合いで。知り合いですし、いつでも話しできますから!」
エレナは下手な嘘を憑いた。
「あの、失礼かもしれないけど……エレナさんって何処かのお嬢様だったりするのかな?」
アルトは包み隠さず、直球に聞いた。
思い当たる節はいくつかあった。ですわ等の妙に丁寧な口調。カスペルが言っていた、邸宅と言う言葉。顔が効く点。
「あえ……」
「エレナ、ここまで来たら言った方がいいヨ。そんな、重いことじゃ無いから」
エレナは何かを隠しているようだった。そしてリィはその事情を知っているようだった。
「えっと、私は……この街の町長の娘ですわ。黙っていて申し訳ありません! 大した身分ではありませんわ。この街は元は集落ですので……」
「本当ですか!? ボク失礼なことしていませんか? それに、爵位持ちの方ではありませんか……!?」
フィリアは正直に驚いていた。そして自分が失礼を働いていないか案じた。後ろのヴィレム達は特別変化は無かった。……信じていないのかもしれない。
「問題ありません、していませんわ。それに私、堅苦しいのもあまり好きじゃないのですわ。今の私は、観光客であり滞在者であるフィー様達の案内人ですわ」
「……つまり、町長の令嬢としてではなく、今は案内人として接して欲しい。……ということでしょうか。隠していたということは」
ヴィレムは含みながらも問い質す。彼の何を考えているか分からないその表情は、エレナの発言の信憑性すら疑っているかも分からない。
「そうですわ。……ご理解頂き感謝致しますわ」
そう言うとリィがエレナの肩に手を置いた。
「良かったら……いいえ、無理なく答えて頂ければ嬉しいのですが……エレナさんの事教えて頂きたいです。大変失礼かもしれませんが……」
フィリアは自分のように、身分を隠したエレナが気になったようだ。恥を忍びながらエレナに問いかける。
「…………そうですわね、立ち話もなんですし、休憩がてらに公園に案内しますわ。そこで少しだけ」
「分かりました。これからお世話になる方ですから……少しでも理解出来ることがあればと思って……」
フィリアは心配そうに、エレナを見つめた。近くで見れば見るほど、フィリアの瞳は澄んだ青空のようで、見透かされそうなくらいに美しく見える。そして彼女の心の内にある、エレナを心配する気持ちすら浮き出て見えた。
「フィー様は本当にお優しい方ですわね、ありがとうございます」
◇
一行は住宅街の間にある小さな公園にやって来た。花の街らしく、組木の道が連なっており、花壇には色とりどりの花々が植わっている。公園の端には出店があった。花の街で移動販売をしているようで、そこで飲み物を買って休憩することにした。
移動販売の馬車が止まっている所の付近には、丸太でできたベンチとチェアがある。一行はそこに座り休憩する。エレナとリィが飲み物と一緒に、小さなクッキーをご馳走してくれた。甘いものが好きなフィリアは嬉しそうにクッキーを頬張る。隣に座るヴィレムは、お茶を一口飲んだ後に話を切り出した。
「ええと、エレナ様。お話を伺いたいのですが…… 特別な事情があるのであれば、無理にはお聞きしませんが……」
「しっ……します。先程話すと自分で言いましたから……」
いつもはハキハキと進んで話し出すエレナだが、何やらカスペルと会ってからは、勢いが無くなっていた。
膝の上で拳を握りエレナは口を開く。
「わっ私……お友達がいないのですわ!」
「……は」
エレナの隣に座るリィは一拍置いたあとに『は』と声に出していた。何やら予想外の返事をしたらしい。
「エレナ、それは違う……」
「はっ! 話が飛びすぎましたわ!」
エレナはよそよそしかった。言いたくないのか、緊張しているのか……なかなか話が進まない。
「すみません、違うんですわ……違わないか。…………えっと、私はこの街の町長の娘なのですわ。さっきも話したように!」
エレナははっきりしないまま、サラッと答えていた。
フィリアは『?』と頭を傾げエレナを見つめていた。するとアルトが、
「え、もしかして本当にお嬢様だったりしたのかな。エレナさん喋り方が爵位持ちのご令嬢のような……話し方だし……とても高位だったり」
「ちっ違いますわ! この街には爵位持ちはあまり住んでいませんわ。元は複数の集落や旅人が集って出来た街ですので……明確に血筋による統治はしていません」
エレナが焦りつつ話をする中、リィはエレナの心中を知っているのか、肩に手を乗せて話し出した。
「すみません、正直言いづらくて話が進まないようでス」
「うう……話しますわ……」
何やらエレナは気まずそうな顔をしているが、ゆっくり話し始めた。
「私、容姿も変わっていて、町長の娘で……一応、町長の娘として教育は受けていたのですが、どうも街の同世代のもの達とは友達になれなくて。……私はそうは思っていないのですが、どうも町長の娘として心の距離を感じてしまうのですわ。特に自分と同じ歳頃の方々は。大人の皆様はそうでも無くて……両親が身分を気にしないからなのかもしれませんが……」
「そうだったんですね……」
「肩身が狭いと言うことですね」
フィリアは少ししょんぼりと、どこか自分の事のように気を落としたような声色で答えた。膝の上に乗せた手は強く握られている。
「ボ……ボクもその気持ち、分かります」
「え……」
フィリアが話続けようとすると、ヴィレムは彼女の握られた拳の上に手を重ね、握りしめた。そしてフィリアはヴィレムと顔を合わせる。ヴィレムは頭を横に振った。……それ以上自分の話をしない方がいい。そういう事だ。
「えと、何となくです。……でも、リィさんとはとても仲が良さそうです。おふたりの関係、素敵だと思いますよ」
フィリアがそう返すと、エレナは曇っていた表情を変え、笑って答える。
「そうなのですわ、リィは私と普通に接してくれる数少ないお友達なのですわ! 出会ったのは半年以内ですが、私はとても嬉しいですわ、リィ」
エレナはさっきまでの落ち込んだような、緊張したような微妙な表情とは異なり、心から喜んでいるような表情だった。
「東の国は、多民族国家……と言うか、複数の部族から成り立つ国ですから……割と身近に権力を持つ方もいらっしゃるものなのでス。それぞれの国が力を持っていたり、1つの部族だったりするので……それに皆、平等で、忖度はいらないと兄様が言っておりましたのデ」
「ねっ! リィは素敵な子でしょう!?」
エレナはさっきまでの曇った表情とは異なり、輝いた表情でリィを自慢する。
「エレナ……流石に私も恥ずかしい」
「うふふ、出身の違いも、見た目の違いも、身分も、関係なく接してくれる……私が理想とする人付き合いなのですわ! 私は……その人個人の良さは宝物だと思うのですわ」
フィリアはエレナの発した言葉に目を輝かせていた。今まで城の中でひっそりと、あまり外を見ることがなく育ってきた彼女には、とても魅力的な考えだったからだ。自分が旅をする上で無意識に見ていた 『一つ一つが輝いて見える』それに近いものを感じたからだった。
「素敵な考え方ですね! きっとそんな考えが浸透したら……素敵な世の中になりそうです! エレナさんがもし、花の街の町長を継ぐならば……素敵な街に違いないですね!」
「うふふっ……でも私は継ぐことは考えていないのですわ。両親が、必ずしも町長の子供だから継ぐことはないと。自分の夢を叶えろと両親は言ってくださいましたわ。私は素敵なお嫁様になりたいのです。淑女の憧れですから!……て、わぁああ私の夢語りになって……」
「……ガルザ様という方が、エレナ様の理想の方という事で?」
ヴィレムはエレナに問う。するとエレナはとんでもない声を上げて騒ぎ出した。あの一瞬を覚えていたのかと。
「ひぃやぁう!!!!」
彼女の顔は林檎のように真っ赤になっていた。その上、発音すら分からない叫びを上げていた。
「そっそれは違いますわ!! ……もう、過去の話です……」
「…………」
フィリアは目を見開いてエレナの様子を眺めたいた。何か気になるかのように。
「過去の話ですから、私は今の感性で素敵な殿方を探していますわ……!」
エレナが立ち上がると彼女の右腰に、キラリと何かが光った。
「わ、それ……とても綺麗です」
フィリアは思わず口に出していたようだ。
「はえ……? あっこれですわね」
エレナの腰で光っていたのは、桃色の尖晶石〈スピネル〉のような鉱石があしらわれた指輪だった。ローズレッドの可愛らしい色味に銀の曲線が盛り込まれたデザインは、とても女性らしい雰囲気を漂わせていた。
「これは、私のお守りですわ。幼い時に両親から貰ったもの。色んな思い出が詰まったものなのですわ」
エレナの目を細めて微笑むその顔には、触れられぬ思い出を愛おしむような、どこか切ない温かさが滲んでいた。
「いつか……私を選んでくださった方に渡したいものでもありますわ」
フィリアは静かにエレナを眺めている。そんな姿をヴィレムが横目で捉えていた。そして小さな声で、
「……気になりますか?」
「え……? うん。少しだけ……エレナさん嬉しそうにも、少し切なそうにも見えて」
「ふふ、フィーもお年頃ですからね」
「? ボクはエレナさんの表情が気になっただけだよ?」
フィリアはきょとんと答えた。彼女はまだ恋を知らなかった。
「その方が貴方らしいかもしれないですね、フィーは」
ヴィレムはそう答え笑う。彼にとって、幼く考えが至らないフィリアの様子は可愛らしくて、今の年頃だからこそ守りたい所でもあった。
「さあ、皆様行きましょう! 」
フィリア達は休憩を終え、エレナは再び一行を案内し始めた。